老犬が起き上がれなくなった時に考えられる原因は?

昨日までは自力で歩いていた老犬が、ある日急に起き上がれない様子を見せた場合、ほとんどの飼い主さんはパニックになってしまうと思います。

基本的に「起き上がれない」という症状は重度の体調不良が原因であることが多いため、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。

ただ、飼い主さんがパニックになっていると愛犬もその不安を感じ取ってしまい、よけい体調が悪化してしまうかもしれません。

よって今回は、老犬が起き上がれなくなった時に備えてその原因を把握しておきましょう。

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起き上がれない時に考えられる主な原因は?

老犬が起き上がれなくなった時に考えられる主な原因は大きく「加齢によるもの」と「何かしらの疾患によるもの」との2つに分けることができます。

基本的に加齢による筋肉量の低下だけで起き上がれない場合は、歩くスピードが遅くなるなどの緩やかな運動能力の低下が見られます。

しかし、疾患による場合は他の症状や急に起き上がれないという様子が見られことがほとんどのため、どのようなものが原因となるか把握しておきましょう。

 

脳の疾患

脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患では、起き上がれなくなるだけでなく痙攣発作や首が傾く斜頸などの症状が先に見られることもあれば、同時に見られることもあります。

確定診断には全身麻酔下でのMRIが必要となるため、なかなか早期発見することは難しい疾患の1つとなりますが、老犬の様子をこまめに確認してこれらの疾患が疑われるような症状が見られたらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

脊髄の疾患

ミニチュア・ダックスフンドやウェルシュ・コーギーなどの胴の長い犬種は若いときから椎間板ヘルニアなどの脊髄の疾患のリスクが高い傾向にありますが、老犬になると、より一層の注意が必要となります。

多くの場合は起き上がれなくなる前に、散歩に行きたがらない、抱っこを嫌がる、首や背中を触ると鳴くなどの症状が見られるため、これらのサインを愛犬が出していないかよく観察するようにしましょう。

また、予防としては床の滑り防止にマットなどを敷く、段差を上り下りさせない、ジャンプをさせない、などの方法があります。

関節の疾患

人間も高齢になると骨と骨の間でクッションの役割を果たす関節軟骨が弾力性を失い、すり減るなどして関節に痛みが生じることがありますが、老犬でも同様の現象が起きる可能性があります。

痛みから起き上がれなくなることが多いため、起き上がれなくなる前の初期症状としては歩き方がおかしい、片足をあげるなどの様子が見られます。

老犬における関節の疾患は、ほとんどの場合は痛み止めなどの対症療法となりますがオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚油などのサプリメントを与えることによってQOLの向上や痛み止めの使用量現象が期待できるため、予防として早期から与えても良いでしょう。

その他の疾患

老犬が起き上がれなくなった時に考えられる他の疾患としては、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓の疾患や肺炎、肺水腫などの呼吸器の疾患、様々な理由による衰弱状態などが考えられ、かつ命の危険が高い状態が多いでしょう。

慌てずに落ち着いてまずは動物病院へ

このように、老犬が起き上がれなくなった時に考えられる原因には様々なものが考えられ飼い主さんだけでは判断することが難しいため、まずは動物病院への受診を検討しましょう。

その際には起き上がれなくなるまでに見られた症状や食欲、排便排尿の状態などもすぐに答えられるよう、メモしていくことをおすすめします。

動物病院へ向かう時も可能な限り慌てずに、優しく声をかけてあげて愛犬を安心させてあげてくださいね。